〈2025/02/04〉
主席研究員 桜井智野風
基本的な動きについて その4 「バランス」
保育園児にとってのバランス能力の獲得は「正しい姿勢」を目指すものではありません。 ネット上では、子どものトレーニングについて次のようなコメントをよく見かけます。「子どもはバランス能力を高めることで正しい姿勢が身につきます」「子どものバランス能力を向上させるために体幹を鍛えましょう」一見納得できそうですが、これは幼児と児童を混同した考え方です。以前お話ししたように、プレ・ゴールデンエイジ(3歳〜6歳...
〈2025/01/07〉
主席研究員 桜井智野風
基本的な動きについて その3 「投げる」
男女差の激しい難解な活動 「プロ野球投手の投げる球の速さは時速150㎞位ということはご存じかと思います。では、皆さんのお子様が投げる球の速さはどれくらいでしょうか?お子さんの手から離れたボールが、5mくらいの距離をフワッと1秒くらいかけて飛んだとしましょう。これを計算すると時速18㎞位になります。えっ、結構速いと思われるかもしれません。我々が歩くスピードは時速5㎞程度ですから、お子さんは大人の歩く...
〈2024/11/21〉
主席研究員 桜井智野風
基本的な動きについて その2 「跳ぶ」
「ピョンピョン」は脳や身体の試験運転 その場で「ピョンピョン」とジャンプを繰り返しているお子さんの姿をよく見るのではないでしょうか。このような活動は神経系がぐんぐんと発達している時期に、未完成段階の平衡感覚を自ら試している活動であるといわれています。つまり、身体をコントロールする神経の試験運転状態であり、たくさん行う必要があります。今回はこの「跳ぶ(ジャンプ)動作」の習得についてお話しし...
〈2024/10/02〉
主席研究員 桜井智野風
基本的な動きについて その1 「走る」
「上手な字」と「きれいなランニングフォーム」の共通点 「かけっこが速くなりたい!」これは子どもたちだけではなく、パパやママたちの願いであるはずです。速く走るためにはどうしたらよいのか?これは速く走るための動き(フォーム)を身に付けることが必要です。まさに幼児期にこのランニングフォームを身に付けておくことは、将来のスポーツ活動において非常に大事なことといえます。今回はこのランニングフォームの習得に...
〈2024/09/17〉
主席研究員 桜井智野風
子どもの才能を賢くサポートするために必要なこと
皆さんは「ゴールデンエイジ」ということばをご存じでしょうか?子どもの運動能力が飛躍的に伸びる体の動かし方、動作、技術を短時間で覚えることができる一生に一度だけの貴重な年代のことで、9~12歳くらいの時期がこれにあたります。手本を見せるだけで、その動きをすぐにマネできるような状態から「即時の習得」の時期とも呼ばれます。 【プレ・ゴールデンエイジとは】 今回お話ししたいのは、ゴールデンエイジ期の前段階の...
〈2024/08/05〉
主席研究員 桜井智野風
子どもの「できた!」を大切に! 大人は「よく頑張ったね!」を忘れずに!
有能感と無力感 スポーツ科学や心理学の分野において「有能感」という言葉があります。シンプルに言えば、「私はできる」という自己肯定の考え方です。有能感の高い子どもは、目標に対してつまずきや困難が生じても、乗り越えていく努力を継続していきます。結果、成果が出てさらに有能感が高まるという「良い循環」が生まれます。逆に有能感の低い(これを「無力感」とも呼びます)子どもは、ちょっとしたつまずきが起きると「...
〈2024/07/05〉
主席研究員 桜井智野風
子どもの熱中症を防ごう
暑い夏がやってきます。熱中症について、大人の対策については知っている方は多いと思いますが、子どもにも子どものための対策があるんです。今回は子どもの熱中症についてお話しします。 【汗の大切さ】 熱中症は過度な体温の上昇により起こります。この体温の上昇を防いでいるのが我々の「汗」です。汗は血液の水分から作られますが、これが皮膚の表面に出て蒸発するときに、体の熱を空気中に放出させてくれます。体温...
〈2024/06/07〉
主席研究員 桜井智野風
幼児期に肝心なのは「スキル」と「発達欲求」
パリオリンピック・パラリンピックまでもう3か月余りとなりました。活躍するアスリートたちが世の中に明るい話題を振りまいてくれるでしょう。子どもを持つ親の心としては、「うちの子も今からやればオリンピック選手みたいなスーパーアスリートになれるのかしらね?」と考えることはあるかもしれません。今回は子どもの運動・スポーツ実践に関して考えてみたいと思います。 「運動神経」とは? 「友達の○○さんは運動神...
〈2024/05/16〉
主席研究員 桜井智野風
幼児期からの運動を行う意味とは?
幼児期になぜ運動を行う必要があるのか?それには大きく2つの理由があります。 ① 将来のため 最近、よく聞く「子どもの体力低下」や「運動不足」って、実は何が問題なのかご存じでしょうか?「特に運動しなくても、元気で健康ならそれでいいんじゃない?」と思う保護者もいらっしゃるかもしれませんが、実は子どもの運動習慣は、将来の体力や健康にも大きく影響をおよぼします。ですから、運動に親しむ習慣を子どもに身につけ...
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