〈2024/11/06〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
生まれてきた子どもひとりひとりを大切に育てる -これからの少子化対策-
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 政府は「2030年代に入るまでの6~7年が、少子化傾向を反転できるかどうかのラストチャンス」と言っていますが(資料1)、昨年(2023年)の合計特殊出生率は1.20と過去最低で(資料2)、反転できるラストチャンスは残念ながらとっくに逃してしまった、というのが家族経済学の専門家の見解で(資料3)、海外からも「日本のようにならないためにはどうしたらいいか...
〈2024/10/03〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
保育者からみた子どもの健康の問題 ~日本とニュージーランド~
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 日本でもニュージーランドでも、健康と安全は就学前教育(保育所や幼稚園など)で重視されており、日々の生活や遊びを通して食べること・運動すること・清潔や安全について、保育者(保育士や幼稚園教諭など)は子ども達に指導・支援をしています。そんな保育者からみた、それぞれの国の保育園児・幼稚園児の健康と安全の問題について検証した筆者の研究をご紹介し...
〈2024/10/02〉
コラム
主席研究員 桜井智野風
基本的な動きについて その1 「走る」
「上手な字」と「きれいなランニングフォーム」の共通点 「かけっこが速くなりたい!」これは子どもたちだけではなく、パパやママたちの願いであるはずです。速く走るためにはどうしたらよいのか?これは速く走るための動き(フォーム)を身に付けることが必要です。まさに幼児期にこのランニングフォームを身に付けておくことは、将来のスポーツ活動において非常に大事なことといえます。今回はこのランニングフォームの習得に...
〈2024/09/17〉
コラム
主席研究員 桜井智野風
子どもの才能を賢くサポートするために必要なこと
皆さんは「ゴールデンエイジ」ということばをご存じでしょうか?子どもの運動能力が飛躍的に伸びる体の動かし方、動作、技術を短時間で覚えることができる一生に一度だけの貴重な年代のことで、9~12歳くらいの時期がこれにあたります。手本を見せるだけで、その動きをすぐにマネできるような状態から「即時の習得」の時期とも呼ばれます。 【プレ・ゴールデンエイジとは】 今回お話ししたいのは、ゴールデンエイジ期の前段階の...
〈2024/08/31〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
子どもの感染症
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 夏は子どもの感染症が流行しやすい時期です。新型コロナウイルス感染症(以下、コロナと表記)の位置づけが2023年5月に5類に引き下げられましたが、その後も患者の発生は続いており、この夏は再び患者数が増加していて(図1)、感染予防への注意が引き続き必要ですが、コロナ以外の感染症にかかってしまった子どもも大勢いました。 図1:新型コロナウイルス感染症の...
〈2024/08/05〉
コラム
主席研究員 桜井智野風
子どもの「できた!」を大切に! 大人は「よく頑張ったね!」を忘れずに!
有能感と無力感 スポーツ科学や心理学の分野において「有能感」という言葉があります。シンプルに言えば、「私はできる」という自己肯定の考え方です。有能感の高い子どもは、目標に対してつまずきや困難が生じても、乗り越えていく努力を継続していきます。結果、成果が出てさらに有能感が高まるという「良い循環」が生まれます。逆に有能感の低い(これを「無力感」とも呼びます)子どもは、ちょっとしたつまずきが起きると「...
〈2024/08/01〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
小学校進学
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 「お受験」という造語が一般的に使われるようになった1990年代(昭和)に幼児だった人たちが親世代になり、その子どもたちが小学校に進学する年代になりました。小学校受験は、子どもはもちろん親にも、そして子どもたちが通う園の保育にも、影響を及ぼしています。かつては、小学校受験をするのは、保護者が共働きの保育園児より、保護者が退園後に受験対策教室や...
〈2024/07/09〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
コロナで学力格差が拡大
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 2020年の春の新型コロナウイルス感染症のパンデミックで、世界中で学校も閉鎖され、健康を損なうことだけでなく、子どもたちの学力低下も懸念されました(参考資料1)。 けれど、日本では、コロナによる長期の休講にもかかわらず、子どもたちに学力低下は見られなかったと報告されました(参考資料2・図1)。 図1:コロナ前(2016年度)と2021年の全国学力テ...
〈2024/07/05〉
コラム
主席研究員 桜井智野風
子どもの熱中症を防ごう
暑い夏がやってきます。熱中症について、大人の対策については知っている方は多いと思いますが、子どもにも子どものための対策があるんです。今回は子どもの熱中症についてお話しします。 【汗の大切さ】 熱中症は過度な体温の上昇により起こります。この体温の上昇を防いでいるのが我々の「汗」です。汗は血液の水分から作られますが、これが皮膚の表面に出て蒸発するときに、体の熱を空気中に放出させてくれます。体温...
〈2024/06/07〉
コラム
主席研究員 桜井智野風
幼児期に肝心なのは「スキル」と「発達欲求」
パリオリンピック・パラリンピックまでもう3か月余りとなりました。活躍するアスリートたちが世の中に明るい話題を振りまいてくれるでしょう。子どもを持つ親の心としては、「うちの子も今からやればオリンピック選手みたいなスーパーアスリートになれるのかしらね?」と考えることはあるかもしれません。今回は子どもの運動・スポーツ実践に関して考えてみたいと思います。 「運動神経」とは? 「友達の○○さんは運動神...
〈2024/06/07〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
幼児のサプリメント摂取を考える
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 コレステロール値を下げるという効能を謳って販売されていたサプリメントを摂取した人に深刻な健康被害が発生しました。いまだ健康を回復できていない人も多く、亡くなられた方もいらっしゃいます。サプリメントなどの健康食品は大人が対象のような印象がありますが、子どもを対象とした商品もたくさん販売されています。 厚生労働省が実施した、小学生から高校生...
〈2024/05/16〉
コラム
主席研究員 桜井智野風
幼児期からの運動を行う意味とは?
幼児期になぜ運動を行う必要があるのか?それには大きく2つの理由があります。 ① 将来のため 最近、よく聞く「子どもの体力低下」や「運動不足」って、実は何が問題なのかご存じでしょうか?「特に運動しなくても、元気で健康ならそれでいいんじゃない?」と思う保護者もいらっしゃるかもしれませんが、実は子どもの運動習慣は、将来の体力や健康にも大きく影響をおよぼします。ですから、運動に親しむ習慣を子どもに身につけ...
〈2024/05/08〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
こども誰でも通園制度は誰のため?
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 「花をめでる人は多い。果実を求める人は更に多い。芽を愛する人は、数多くない心友である。」これは、東京女子師範学校(現お茶の水女子大学)の教授で、日本最初の幼稚園である同校の附属幼稚園の園長でもあり、日本の幼児教育の改革と発展に貢献した児童心理学者の倉橋惣三が、幼児教育の機関紙への寄稿文の冒頭の言葉です(参考資料1)。多くの人は、花の美し...
〈2024/04/02〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
睡眠中の子どもの死亡事故を防ぐ
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 2023年12月に都内の認可外保育所で生後4か月の男の子が亡くなりました。利用前に見学に訪れた母親がうつぶせで寝ている子どもがいることに気づき、「うつぶせに寝かせないで」と園長に注意したにもかかわらず、亡くなった子は発見時、顔を真下に向けていて、口や鼻の周りの布団が多量の唾液で濡れていました(参考資料1)。 事故の背景に、認可保育所に0歳児受け...
〈2024/03/01〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
震災後の子どもの心のケア
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 能登半島地震で、石川県だけでも241人の方が亡くなられ、1182人の方が重軽傷を負い、震災発生後1か月たっても自宅に戻れず避難生活を続けざるを得ない人が13518人もいらっしゃいました(資料1)。子どもたちの体だけでなく心への深刻な影響も懸念されます。 2011年の東日本大震災の翌年(2012年)に文部科学省が行った子どもの様子についての調査(資料2)によると「...
〈2024/02/05〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
学童保育
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 就労している保護者にとって、勤務と通勤時間を合わせて最長11時間(保育標準時間)、夕方まで専門職の保育士さんが子どものケアをしてくれる保育所は、とても頼りになる、子育てになくてはならない存在です。子どもが卒園して小学校に入学すると、午後2時から3時くらいに下校しますし、入学後の1~2週間はもっと早い時間の帰宅になるので、保護者が帰宅するまでの...
〈2023/12/30〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
コロナ禍の幼児の発達への影響と保育者の気づきの大切さ
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 コロナ禍は子どもたちの健やかな育ちに様々な負の影響をもたらしました。登校や外出、他者との交流が制限されたことにより、子どもたちには運動不足や睡眠など生活習慣の悪化、学業成績の低下などが報告されています。また、就学前の幼児においても発達の遅れが生じる可能性があるという研究データが報告されました(参考資料1)。 調査では、コロナ禍前の保育園児と...
〈2023/12/04〉
コラム
出版不況でも絵本は買われ読まれています
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 1997年以降、書籍(紙の本)の売り上げは減り続け、出版不況が深刻化しています(図上)。しかしそのような状況の中で児童書だけは、少子化で子どもの数が減っているにもかかわらず、一定の販売額が維持されています(図下)。 図:書籍の販売金額の推移(資料1) 少子化でも児童書が手堅く売れている理由の1つは、幼児の親の教育熱に加えて、...
〈2023/10/31〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
コロナ禍で幼児の発達が遅れた可能性
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 コロナ禍は子どもたちの健やかな育ちに様々な負の影響を及ぼしました。登校や外出、他者との交流が制限された子どもたちに、運動不足、睡眠をはじめとする生活習慣の悪化、学業成績の低下などが伝えられていますが、就学前の幼児にも発達の遅れが生じている可能性がある、という研究データが報告されました(参考資料1)。 調査は、コロナ禍前の幼児に対し...
〈2023/10/04〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
食物アレルギー
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 食物アレルギーの児童生徒が増えていることが、日本学校保健学会による全国調査で明らかになりました。2022年度の調査では、小学校から高等学校までの子どもたちのうち52万6705人がアレルギーを持っており、その半数以上の27万354人は小学生です(資料1)。 図1:食物アレルギーの児童生徒 人数と割合(参考資料1,2,3より作成) 食物アレルギー有症率は...
〈2023/08/28〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
夏、子どもの命を事故から守る
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 連日、猛暑が続くこの夏。溺水(参考資料1)や熱中症(参考資料2)などの子どもの痛ましい死亡事故が発生しています。 昨年(2022年)中学生以下の子どもが死亡・行方不明になった水難事故の現場は河川が最も多く(53.8%:参考資料3)、バーベキューを楽しめる大きな河原がある場所や上流域のキャンプ場が、繰り返し事故が発生する水難事故多発地点とな...
〈2023/08/03〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
幼児教育・初等・中等・高等教育の教員の女性比率
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 幼児教育から高等教育まで、子どもたちは等しく学ぶ権利を持っており、子どもたちを教え導く教員に必要なのは教育者としての指導力などの知識や技術であり、性別は関係がない。しかし現実には、学校種ごとに教員の大きな性差が存在します。 グラフは、OECDの調査報告(参考資料1)から作成した、各国の2019年の女性教員の比率です。日本の幼児教育のデータ...
〈2023/07/05〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
赤ちゃんが話せるようになる前から大切な言葉かけ
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 人は言葉を通して事柄を認識し理解します。言語能力の獲得はその後の様々な学習の基盤となります。保育の専門家である保育者の皆様は子どもたちへの言葉がけの大切さを熟知していますが、その一方で「スマホ育児(TVやインターネットなどで動画を見せることも含む)」に代表される、メディアを家庭で乳幼児に視聴させるケースが増えています。「知育教材」として発...
〈2023/06/01〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
コロナと共働き夫婦の家事育児の時間の変化
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 2020年度初頭に緊急事態宣言が発出された新型コロナウイルス感染症のパンデミックで、社会生活も個人の生活も深刻な影響を受け、大きく変化しました。子育てをしている夫婦では、コロナ前は共働きであっても家事や育児は妻(母親)圧倒的に多くの負担がかかっていました。コロナによる外出自粛やリモートワークの導入、子どもが通う学校園の臨時休校などのため、母親や子...
〈2023/05/11〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
幼児期に遊びを通して育む力と5歳児教育プログラム
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 文部科学省は5歳児向けの教育プログラムを作ることを決めました(参考資料1)。中央教育審議会で議論が進められており、今年度中に文部科学省が全国の園に周知するとのことです(参考資料2)。 幼児教育の基本である遊びを通した学びを踏まえるとのことですが、「小1問題」の解消のために小学校での学習がスムーズに行えるようになることを図り、タブレット端末...
〈2023/04/05〉
コラム
小学生の荷物の重さ
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 この3月に保育所や幼稚園を卒園したお子さんは4月から小学校に入学します。ちょうど1年前の4月のこのコラムに、ラン活(小学校入学を控えた子どものランドセル選びや購入するための、保護者の活動)について書きましたが、小さな体に大きなランドセルを背負って通学する新1年生の姿は、かわいいけれど、大きな荷物は重くて大変そうです。子ども自身は、通学時に運...
〈2023/03/02〉
コラム
子どもと過ごしたかけがえのない今日-ニュージーランドの詩
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 お母さんが小さな子どもと過ごしたかけがえのない「今日」という日を振り返る詩。ニュージーランドの幼児教育施設の壁に貼られていた、お母さんの心に寄り添いそっと励ます優しい素敵な詠み人知らずの詩で、私もコロナ前に訪問した多くの施設で見ましたし、ニュージーランド国内だけでなく日本にも伝わってきました(2020年1月、NHK:参考資料1)。その後、コロナ...
〈2023/02/02〉
コラム
幼児の性自認とダイバーシティ(多様性)の育ち
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 ダイバーシティ宣言とは、一人一人の人権と自由を守り、様々な違いを個性として認め合い、国籍・人種・民族・宗教・信条・出自・年齢・性別・性的指向・性自認・障害等に基づく差別をしない、と公言するものです。私が所属する神奈川大学でも宣言に基づき、ダイバーシティ推進室が設置され、ジェンダーやセクシャリティに関する活動を行う学生サークルも公認され(...
〈2022/12/28〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
子育て、何が大変? 何が必要?
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 少子化対策の一環として、政府は5年ごとに「少子化社会に関する国際意識調査」を実施しており、最新の調査は、日本、フランス、ドイツ、スウェーデンの4か国を対象に、2020年10月~2021年1月に行われました(資料1)。2020年は新型コロナウイルス感染症のパンデミックが世界中に広がった年であり、日本はもちろん調査対象国はみなコロナ禍で社会は混乱し、大人も...
〈2022/12/01〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
日本のクリスマスとクリスマスのお話
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 クリスマス(Christmas)は日本でも、子どもから大人まで、みんなが楽しみにしている年中行事ですが、もともとはキリスト(Christ)の生誕を祝福するミサ(mass)のことです。 日本で最初のクリスマスの祝宴は、1552年(天保21年)に日本にキリスト教をもたらしたフランシスコ・ザビエルによって山口で開かれ(資料1)、信者たちが集まって食事をし、貧しい人々に...
〈2022/11/07〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
コロナ禍の運動会
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 新型コロナウイルス感染症の拡大で、2021年までは、学校園では様々な行事の実施が見送られました。運動会もその1つです。けれど、文部科学省は、運動会などの学校行事は、子どもたちにとってかけがえのない貴重な思い出となる有意義な活動なので、これらの行事の教育的意義や子どもたちの心情等を考慮した上で、直ちに中止とはせずに、感染防止のために必要な措置...
〈2022/09/02〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
スマホを育児に利用することへの保護者の思い
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 スマートフォンは今や生活必需品のようになっており、育児にスマホを使うことについてもしばしばマスコミなどでも取り上げられ、「スマホ育児」という言葉もすっかり定着しています。スマホ育児には賛否両論、様々な意見がありますが、実際に子育てをしている保護者の方々はスマホ育児をどのように考えているのでしょうか? 私のゼミの男子学生2名がこの問題に関心を持...
〈2022/08/09〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
コロナで出生数減少
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 新型コロナウイルス感染症(以下コロナ感染症)のパンデミックの影響は、世界中で子どもたちの誕生にも大きな影響を及ぼしています。 表は日本、ヨーロッパで最初にコロナ感染拡大の中心地になったイタリア、次いで被害が大きかったスペインやフランス、コロナと前政権の移民抑制策で人口の伸び率が抑制された米国、コロナ感染症の拡大が世界で最初に起こった中国...
〈2022/07/01〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
スウェーデンの園での言葉の教育
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 幼稚園教育要領、保育所保育指針、幼保連携型認定こども園教育・保育要領(以下、要領・指針)のねらい及び内容は「健康」、「人間関係」、「環境」、「言葉」、「表現」で、言葉は幼児期の学びの重要な項目の1つになっています。また、2018年4月施行の新しい要領・指針で示された「幼児の終わりまでに育ってほしい姿」(10の姿)にも「言葉による伝え合い」が入ってい...
〈2022/05/09〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
子どもの急性肝炎
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 2022年に入ってから原因不明の子どもの急性肝炎の発症が報告されています。WHO(資料1)によると2022年4月21日現在、12か国で、生後1か月から16歳の、169例の報告がありましたが(表1)、そのうち17例は肝移植となり、1例が死亡という、重症の急性肝炎です。 表1 小児の急性肝炎 発症内訳(資料1より作成) 英国 114例 スペイン 13例 イスラエル ...
〈2022/03/28〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
ウクライナと子ども
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻し(資料1)、子どもたちの被害や犠牲も拡大しています。民家や避難所となっている学校などへの無差別攻撃で100名以上の子どもたちが死亡し(3月16日時点の情報:資料2)、100万人以上の子どもが難民となっています(資料3)。ソ連軍の攻撃は残虐性を極め、市内の産科・小児科病院も爆撃を受け、瓦礫の下敷きになって...
〈2022/03/03〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
Festina lente ゆっくり急げ
神奈川大学 渡部かなえ 神奈川大学産官学連携研究事業 Festina lente(フェスティナ レンテ:ゆっくり急げ)は古いラテン語の格言で、「良い結果に至るにはゆっくり行くのが良い」と「歩みが遅すぎると求める結果は得られない」という両方の意味を同時に表しています。ヨーロッパでは古くから広く知られていて、甲羅に帆を立てたカメ(資料1)や鎖に巻き付いたイルカ(資料2)などの図像も描かれており、古代の陶器...
〈2021/11/30〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
日本と子どもとクリスマス
12月に入り、クリスマス・シーズンがやってきました。感染症の再拡大が起こらないよう細心の注意を払いながら、子どもたちが楽しく過ごすことができるよう、園でもいろいろ考えられていることと思います。 クリスマスを幼児教育の重要な行事の1つとして位置づけたのはフレーベル(Friedrich Wilhelm August Fröbel,1782-1852)です。大人とともにクリスマスを祝うことで祝祭に臨む敬虔な心を育て、クリスマスツリーやロウソク...
〈2021/11/01〉
コラム
顧問 渡部かなえ(神奈川大学人間科学部教授)
感染症禍の孤独な長い日々を、無駄に失われた時間にせず、有益で素晴らしい時間にしましょう
日本に先んじること2か月、イタリアのロンバルディア州では、新型コロナウイルスが急速に蔓延し、2020年2月24日、突然の休校措置がとられました。ロンバルディア州ミラノにあるアレッサンドロ・ヴォルタ高校のスキラーチェ校長先生は、休校を伝える「生徒への手紙」(Lettera agli Studenti)を学校のホームページに掲載しました(参考資料1)。感染症拡大下で学徒として人としてどうあるべきかを説いた、生徒への思いやりと人...
〈2020/03/02〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2020年3月『100万回生きたねこ』佐野洋子/作・絵
王様、どろぼう、女の子…と、誰かのねこになり、100万回も死と生を繰り返したねこ。最後にのらねこになり、自分のために生きたとき、真に大切なものを見つけます。子どもから大人まで、愛され読まれている名作です。 あなたにとって大切なものは何でしょうか?自身を大切にすること、他者の多様を受け入れること、愛する素晴らしさと失う悲しみを感じること。この絵本を読むとわいてくる心の揺れ動きと感情を、丁寧にそしゃくし...
〈2020/02/01〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2020年2月『もりのおくのおちゃかいへ』みやこし あきこ/作・絵
雪が積もった日の朝。キッコちゃんは森の向こうのおばあちゃんの家へ向かったお父さんを追い、ケーキを届けに出発します。おばあちゃん家に行く途中、転んでケーキを落としてしまったり、見たことのない家にたどり着いたり。迷い込んだ先の家では、森の動物たちがお茶会を開いています。モノトーンと色の効果で、見る人を不思議な世界へ引き込む世界観が素敵な絵本です。 読み聞かせをするときは、その世界にじっくりとひたれる...
〈2020/01/01〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2020年1月『モチモチの木』斎藤隆介/作 滝平二郎/絵
5歳になっても一人でせっちん(便所)に行けないほど臆病な豆太の、心の成長を描くお話です。豆太はじいさまのあたたかい庇護のもと日々を過ごしますが、じいさまの非常事態に、恐怖を乗り越え一人で助けを呼びに行きます。大切な誰かのために苦手なことを乗り越えていく姿は、心動かされることでしょう。 誰しも弱いところ、苦手なことに対峙するときは、勇気が必要です。自分だったらどんな時に勇気がでるのか、頑張ることが...
〈2019/12/01〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2019年12月『サンタのおまじない』菊池清/作・絵
視覚からも楽しめ、遊びにも展開できる切り絵の絵本です。 クリスマスイブに届いた箱に入っていた野菜は、けんちゃんの嫌いなものばかり。ところがサンタさんからの手紙の通りにおまじないを唱えると、ピーマンからクリスマスツリーへ、トマトからサンタクロースへと、次々に素敵なものに変身していきます。 絵本を見ながら、実際に画用紙を同じように切り、並び替えてみてはいかがでしょうか。親子や友だち同士で、何に変わる...
〈2019/11/01〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2019年11月『てん』 ピーター・レイノルズ/作・絵 谷川 俊太郎/訳
描くことが苦手なワシテにとって、お絵かきの時間はとても苦痛です。 ところが、白い紙に描いた「てん」にサインを求める先生との関わりをきっかけに、意欲的にいろんな「てん」を描きはじめるワシテ。 相手の行為を自分の物差しではかることなく尊敬し認めること、見方次第で物事は違って見えることに気付く機会になりそうです。 最後には、自分がされたように同じく他者にも寄り添うワシテに、細やかな心の動きと成長を感じら...
〈2019/10/01〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2019年10月『おいしいおと』 三宮 麻由子/作 ふくしまあさえ/絵
食事をする時の音がたくさん出てくる、おいしさを味わえる絵本です。 食べる触感やすくった様子など、擬音語や擬態語がふんだんに使用され、一緒に食事をしているような気分になることでしょう。 読み聞かせの際には、子どもと一緒に声に出してみると、さらに楽しめそうです。 例えばごはんは「ポホッ モワーン ムッチ ムッチ ムッチ」。文字を見ているだけでも、お腹がすいてきます。他にも、わかめのみそしる、かぼちゃ、...
〈2019/08/30〉
コラム
【絵本のこばこ】2019年9月『たいせつなこと』 マーガレット・ワイズ・ブラウン/作 レナード・ワイズガード/絵 うちだ ややこ/訳
▲たいせつなこと(表紙) 「たいせつなこと」は何か、詩的な文章と絵でつづられていきます。草にとって大切なのは、輝く緑であること。風にとって大切なのは、吹くということ。身近なものをじっくり見つめる細やかな視線の美しさに、はっとする作品です。 最後に「あなたにとってたいせつなのは、あなたがあなたであること」と語りかけられる言葉も、心にじんとくるものがあります。 1949年にアメリカで出版されたこの絵本は、...
〈2019/08/01〉
コラム
【絵本のこばこ】2019年8月 『おたすけこびと』 なかがわちひろ/作 コヨセ・ジュンジ/絵
▲おたすけこびと(表紙) ママがおたすけこびとに頼んだことは、誕生日ケーキを作ること。たくさんのこびとたちが協力して作っていく様子は、食への興味をかき立てます。作る過程もわくわくする作品だと思います。たくさんのこびとたちが画面いっぱいに描かれ、車の運転をするもの、旗を振るもの、掃除をするものなど、役割分担をしている様子。協力して作っていく達成感も伝わりますね。また、各ページに、クレーン車、ショベ...
〈2019/07/01〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2019年7月 『くっついた』 三浦太郎/作・絵
▲「くっついた」(表紙) シンプルな絵と繰り返しが魅力の、赤ちゃんから楽しめる絵本です。きんぎょあひる、ぞう、など、出てくるものが仲よくくっつきます。お母さん、そしてお父さんまでくっつくラストでは、ほっこりあたたかい気持ちになることでしょう。 絵本を読んだ後は、ご家庭や園で、くっつく遊びにも展開できそうです。親子や友だちとの関わりを深める時間になるのではないでしょうか。 作者の三浦太郎さんは、お子...
〈2019/06/03〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2019年6月 『あっちゃんあがつく たべものあいうえお』 みねよう/原案 さいとうしのぶ/作
▲「あっちゃんあがつく たべものあいうえお」(表紙) おいしそうな食べ物がいっぱいの、文字の絵本です。「あ」から「ん」までだけではなく、濁音や半濁音も含めて69音すべてが登場します。声に出して読んだり、絵をじっくり見たり、歌ったりと、さまざまな楽しみ方ができます。身の回りで同じ頭文字のものを探して見つけてみるのもよし、自分の名前の文字を全て探してみるのもよし。絵本から実生活へつなげると、さらに楽し...
〈2019/05/07〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2019年5月 『どんなにきみがすきだかあててごらん』 サム・マクブラットニィ/作 アニタ・ジェラーム/絵 小川 仁央/訳
▲「どんなにきみがすきだかあててごらん」(表紙) 身近な人へ、どれくらい愛を伝えていますか。「どんなに、きみがすきだかあててごらん」という問いかけから、相手のことをどれだけ好きかを競い合うチビウサギとデカウサギ。好き、と相手に伝える大切さを感じる作品です。この絵本をきっかけに、身近にある幸せに気付く時間になることでしょう。笑顔をむけながら、スキンシップをしながら、親子や園の友だちと伝え合いたいも...
〈2019/04/01〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2019年4月 『14ひきのあさごはん』 いわむらかずお/作・絵
「14ひきのあさごはん」(表紙) 人気の「14ひきのシリーズ」から、身近な食がテーマである「あさごはん」の絵本を紹介します。 あさごはんのしたくを、14ひきの家族全員でしていくお話です。丁寧で繊細な自然の描写と語りかけるような文章が、優しく絵本の世界に導いてくれることでしょう。自然に触れること、家族と過ごすこと、誰かと食を共にする楽しみなど、人との関わりや日々の営みを丁寧に行うことで感じられる幸せが伝...
〈2019/02/25〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2019年3月 『うさぎのくれたバレエシューズ』 安房直子/作 南塚直子/絵
▲うさぎのくれたバレエシューズ(表紙) 「どうか、おどりがじょうずになりますように」と、たったひとつの願いを想い続ける女の子の元に、さくら色のバレエシューズが届き、うさぎの靴屋やバレエ団のうさぎたちとの出会いにつながります。バレエ団全員分のシューズ作りのお手伝いをしたり、踊りを一緒に踊ったりする場面は、美しく華やかでいて繊細な世界が広がります。落ち着いた雰囲気の中、じっくり絵やストーリーを感じな...
〈2019/01/28〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2019年2月 『もりのおふろ』 西村 敏雄/作・絵
▲もりのおふろ(表紙) 森の動物たちが、次々にやってきては身体を洗い、全員でお風呂に入ります。ごしごし しゅっしゅ、ざぶーん、どぼーん、など、言葉の響きも楽しめる作品です。絵本を読んだ後は、大人の腕の中や、子どもが友だち同士で手を繋ぎ輪を作った中に、どぼーんと入るスキンシップ遊びも楽しそうです。 「わたしの せなかを あらってもらえませんか」とお願いし「はい、いいですよ」と洗ってあげるつながりの輪...
〈2018/12/25〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2019年1月 『十二支のはじまり』 岩崎 京子/文 二俣 英五郎/絵
動物の順番がどのように決められたのか、猫がなぜ干支にいないのかなど、十二支の由来を伝える昔話です。「~いったんだと」と語りかけるような文章や優しい雰囲気の絵は、子どもたちにとっても楽しく受け入れやすいと感じます。 年末年始は、大切な人たちとの団らんの機会も多いと思います。読み聞かせた後、家族や身近な人の干支を尋ねるというのも良いかもしれません。また、干支に関する歴史、時計、方向などへの興味につな...
〈2018/11/26〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2018年12月 『アンナの赤いオーバー』ハリエット・ジィーフェルト/文 アニタ・ロベール/絵 松川真弓/訳
▲アンナの赤いオーバー(表紙) 戦争後の物もお金もない時代、お母さんが工夫してアンナの新しいオーバーを作っていくお話です。羊たちを見守り、春を待って羊の毛を刈ったり、羊毛を紡いでもらったり。様々な人や動物の協力を仰ぎながら、お母さんが大切にしている物との交換でだんだんと作られていきます。いくつもの大切な物を手放し、1年かけてやっと完成したオーバー。最後は、完成したオーバーを着て関わった人たち全員を...
〈2018/10/22〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2018年11月 『あおくんときいろちゃん』レオ・レオニ/作・絵 藤田圭雄/訳
▲あおくんときいろちゃん(表紙) かたちの面白さや色の美しさを感じられる、見立てが楽しいお話です。描かれたふぞろいの丸いかたちから、登場人物たちの感情が伝わってくるようです。色が重なり変化する様子も、驚きにつながることでしょう。読んだ後に、色を混ぜたり塗ったりする遊びにつなげてもよさそうです。想像力や色彩感覚を育む体験へ誘う、芸術の秋にぴったりのお話です。表紙やカバー裏、見返しなど、まるごと美し...
〈2018/09/25〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2018年10月 『おおきなおおきなおいも』市村久子/原案 赤羽末吉/作・絵
「おおきなおおきなおいも」 市村久子/原案 赤羽末吉/作・絵 ▲おおきなおおきなおいも(表紙) 楽しみにしていたいもほり遠足は、雨で1週間後に延期に。自分たちが行く頃にはさらに成長したおいもになると、園の子どもたちの想像がふくらむお話です。イメージのおいもは、数ページにわたってはみ出すダイナミックさ。大胆なお話の展開も魅力です。 描けたいもの絵のところはリズムよくめくり、「ずっぽーん」と抜...
〈2018/08/27〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2018年9月 『おやおや、おやさい』石津ちひろ/作 山村浩二/絵
『おやおや、おやさい』 石津ちひろ/作 山村浩二/絵 福音館書店 ▲おやおや、おやさい(表紙) 今日は野菜たちのマラソン大会です。さあ、どの野菜が優勝するのでしょうか。表情豊かな食べ物たちが活躍する、言葉あそびが楽しい絵本です。普段野菜を食べることが苦手な子にも、親しみを感じられそうです。 「そらまめ そろって マラソンさ」「えのきの あにきは のんきに あるき」など、リズムよい文章がストーリー...
〈2018/07/17〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2018年8月 『ひまわり』和歌山静子/作
『ひまわり』 和歌山静子/作 福音館書店 ▲ひまわり(表紙) 種から成長していくひまわりの様子を描いた、言葉の繰り返しと縦開きが楽しい生命力あふれる絵本です。読み聞かせの際にはゆっくり絵を見せ、力強いタッチを感じつつじっくり味わいながら楽しみたい作品です。繰り返し読み、慣れて来たらお子さんと体全体を使ってひまわりの成長の様子を表現してみるのも楽しいかもしれません。 雨が降って、風がふいて、夜が来て…...
〈2018/06/19〉
コラム
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2018年7月 『おこだでませんように』くすのきしげのり/作 石井聖岳/絵
『おこだでませんように』 くすのきしげのり/作 石井聖岳/絵 ▲おこだでませんように(表紙) いつも怒られてばかりの男の子。七夕に向けて、一番のお願いを短冊に書くことで、まわりの大人にも想いが伝わります。 主人公「ぼく」の心の祈りを丁寧に伝えています。周りと擦れ違いがおきてしまう行動の裏には、どんな想いがあるのか。男の子の心の声や、一生懸命書いた「おこだでませんように」の文字から感じるものがあるの...
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