コラム
〈2020/03/02〉
研究員 守隨佑果
【絵本のこばこ】2020年3月『100万回生きたねこ』佐野洋子/作・絵
王様、どろぼう、女の子…と、誰かのねこになり、100万回も死と生を繰り返したねこ。最後にのらねこになり、自分のために生きたとき、真に大切なものを見つけます。子どもから大人まで、愛され読まれている名作です。
あなたにとって大切なものは何でしょうか?自身を大切にすること、他者の多様を受け入れること、愛する素晴らしさと失う悲しみを感じること。この絵本を読むとわいてくる心の揺れ動きと感情を、丁寧にそしゃくし大切にしたいものです。
絵本には、他者への共感が生まれつつ、一方で自分だけの世界も侵されることがない素晴らしさがあると感じます。じっくりと絵本と向き合えるよう、落ち着ける時間にぜひ読んでみてください。心を見つめる時間になることでしょう。この絵本を通して、深く濃い気付きの時間につながりますように。
1年間絵本のこばこにお付き合いいただき、ありがとうございました。
【書籍情報】
佐野洋子/作・絵
出版社:講談社
おすすめ対象年齢:5歳~
【評者プロフィール】
守隨 佑果 ヒューマンスターチャイルド株式会社フィールドサポーター
保育士/幼稚園教諭/絵本専門士/JPIC読書アドバイザー