コラム
〈2019/08/30〉
【絵本のこばこ】2019年9月『たいせつなこと』 マーガレット・ワイズ・ブラウン/作 レナード・ワイズガード/絵 うちだ ややこ/訳
「たいせつなこと」は何か、詩的な文章と絵でつづられていきます。草にとって大切なのは、輝く緑であること。風にとって大切なのは、吹くということ。身近なものをじっくり見つめる細やかな視線の美しさに、はっとする作品です。
最後に「あなたにとってたいせつなのは、あなたがあなたであること」と語りかけられる言葉も、心にじんとくるものがあります。
1949年にアメリカで出版されたこの絵本は、多くの人に愛され、読み継がれてきました。
自分が自分らしくあることの大切さ――。
これは時代や国を超えて、誰にとっても大切な価値観として共感できることでしょう。心通わせたい誰かと共に手にとり、この絵本にたくさん詰まっているそれぞれの個の素晴らしさに向き合う時間を、お子さんや友だちと一緒に感じてみてはいかがでしょうか。
【書籍情報】
マーガレット・ワイズ・ブラウン/作
レナード・ワイズガード/絵
うちだ ややこ/訳
出版社:フレーベル館
おすすめ対象年齢:4歳~
【評者プロフィール】
守隨 佑果 ヒューマンスターチャイルド株式会社フィールドサポーター
保育士/幼稚園教諭/絵本専門士/JPIC読書アドバイザー