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調査研究・コラム

コラム

〈2018/11/26〉

研究員 守隨佑果

【絵本のこばこ】2018年12月 『アンナの赤いオーバー』ハリエット・ジィーフェルト/文 アニタ・ロベール/絵 松川真弓/訳

▲アンナの赤いオーバー(表紙)

戦争後の物もお金もない時代、お母さんが工夫してアンナの新しいオーバーを作っていくお話です。羊たちを見守り、春を待って羊の毛を刈ったり、羊毛を紡いでもらったり。様々な人や動物の協力を仰ぎながら、お母さんが大切にしている物との交換でだんだんと作られていきます。いくつもの大切な物を手放し、1年かけてやっと完成したオーバー。最後は、完成したオーバーを着て関わった人たち全員をクリスマスのお祝いに誘います。

物があふれる現代において、物と丁寧に向き合う良いきっかけになるのではないでしょうか。何気なく過ぎてしまいがちな毎日、自分にとって大切にしたいものは何か、どんな人とどんな関わりを紡いでいきたいのか。改めて振り返りたいと感じる作品です。落ち着いた環境で読み聞かせ、物語全体に通じる人との関わりの温かさもじっくり味わえる場になるといいですね。

 

【書籍情報】
著 者:ハリエット・ジィーフェルト/文 アニタ・ロベール/絵 松川真弓/訳
出版社:評論社
おすすめ対象年齢:4歳~

 

【評者プロフィール】
守隨 佑果 ヒューマンスターチャイルド株式会社フィールドサポーター
保育士/幼稚園教諭/絵本専門士/JPIC読書アドバイザー

 

絵本のこばこ(2018年12月)

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